ナチスドイツ最後の秘密兵器、ドラゴン。操るは黒衣の魔女。迎え撃つは史上最強のレシプロ戦闘機と謳われるノースアメリカンP-51マスタング。
ドラゴンの機動性と火力の前に劣勢に立たされる連合軍。
一方、ドラゴンのコントロールに疑問を抱き、密かに連合軍にドラゴンの卵殲滅を依頼する者がいた。
他ならぬロンメル将軍その人である。
…というプロットは滅茶苦茶良かったのですが…。
「ドラゴン・オブ・ナチス」
(2014年/マーク・アトキンス監督)
オカルト大好きヒットラーの経歴に新たな1ページを加えた本作、かなり「レイダース」を意識しています。
主人公の登場シーンはバー。ショットグラスによるウイスキーイッキ対決。
レイダースではただ杯を重ねていくだけでしたが、こっちは1杯空ける毎に順番に相手を殴り倒すというワイルドアレンジ。
アルコールだけだとなかなか勝負がつかないので、脳震盪も加えて決着を早くつけるという心配りでしょうか。
べろべろ&血まみれになった所をMPに担がれて出頭という辺りは「地獄の黙示録」っぽいですね。
と、ここまでは結構いい感じだったのですが、ここからがトロい。
ちょいと訳アリで戦闘機を降りた(降ろされた)パイロットが、メンバー集めてドラゴン迎撃隊を組織。それだけでも燃える展開なのに一向に盛り上がる気配無し。
舞台が北アフリカ戦線なので、戦闘が広がりたい放題広がっている荒地のみと言うのも画的な面白さを削いでいます(予算を考えれば当然の選択ではありますが…)。
せめてドラゴンとマスタングの戦いをもちっとフェテイッシュに描いてくれれば、部分部分は不合格でも全体で合格、という評価になったのに。
日本にはドラゴンの下地はないですが、こっちは「ラドン」や「ギャオス」観てきてますからね。こういう淡白な撮り方されるとストレスが溜まっちゃいます。
もっとケレンを!