デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

エロ無しギャグ無し情け無し。 ゾンビ・アルカトラズ

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アサイラム×アルバトロス×ゾンビで未公開。駄目駄目な先入観が満員御礼フルハウスでしたが、これがなかなかハードな作りで魅せてくれます。

「ゾンビ・アルカトラズ」

2012年/ニック・ライオン監督)


立ち上がりから「余計な説明は不要」とばかりにサンフランシスコゾンビ祭り。

阿鼻叫喚の最中、車で脱出に成功した男女4名(内一人妊婦)。目指すはアルカトラズ刑務所。あそこにはまだ人がいるらしい…。

なるほどこいつらが主人公か、と思ったら…。

大抵はここで時間軸が巻き戻ったり回想モードが入ったりするのですが、「んな鬱陶しい事やっちょれるか。いいだろ、事の発端なんかどうでも」って感じでオールスルー。

一方、アルカトラズではワクチン精製を目指す研究者と守りを固める元軍人グループの意見が対立(何だこの激しいデジャヴは…)。

研究者のリーダーはマリエル・ヘミングウェイ。「リップスティック」の妹役から幾星霜。実に色気の無いおばさんになりました(本作にセクシー要員無し。ハードです)。


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軍人のリーダーはダニー・トレホ(ノー・コメント!)。

なるほど、ここを背水の陣として籠城するんだな、と思ったら…。

潮の流れに乗って漂着してくるゾンビ軍団(感染速度30秒の全力疾走型)。生存者はアルカトラズでの研究続行組(研究者父と感染者娘の二人)、ワクチン開発に成功したと言われる科学者捜索チーム、避難所直行チームに分かれて行動する事になるのですが…。

ゾンビ顔面砕きや、感染娘に与えるために自らの腕の肉を切り取る研究者父などゴア満載。

特に冒頭の妊婦の顛末は例え直背描写がなかったとしても、地上波放送は無理。絶対


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ゴールデンゲイト・ブリッジやサンフランシスコの坂道を使ったアクションなど、低予算の割には頑張っています。


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エロも笑いも無く、凄惨なシーンが続きますが、そこはアサイラム脚本が穴だらけで和ませてくれます。

脱出用ゴムボートに全員乗れないという揉め事があって、娘が感染した研究者が「俺が残る!」とか言うのですが、ひとり諦めるだけでOKって変だろ。

ゴールデンゲイトの支柱を上り棒のように上ってくるゾンビがいる一方で、2mもない金網乗り越えられない奴がいるの不自然だろ。

なんてツッコミを入れていると毎度おなじみヘリ脱出エンドが待っています。


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屋上にヘリと言われた瞬間、「ですよね~」

思った以上にドカスカ人が死んでいくノーマーシィなゾンビ映画でした。

      
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ジャケット各種。真ん中の奴なんか完全にトレホが主役になってます(笑)。
 

 

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