『天国がいくつもの部屋で成り立つ家なら、それを超える部屋数の地獄を築こう。天使の骨で家を建てる意志はあるか?』
If heaven is a house of many rooms, we shall build a hell of many more.
Are you willing to build this foundation on the bones of angels?
「事故物件」と言うと、殺人や自殺のあった家そのものや賃貸エリア全体を指すものですが、では、事件のあった部屋だけを取り出し繋げてひとつの家にしたらどうなるでしょう。
「ホーンテッド・サイト」(2016年/ダーレン・リン・バウズマン監督)
まるで猟奇を売り物にしているWebサイトみたいな邦題ですが、原題は「ABATTOIR(屠殺場)」。
新聞社で不動産関連の記事を描いている記者ジュリア(ジェシカ・ロウンズ)は、ある日、姉夫婦と甥っ子を(自宅で暴漢に)まとめて惨殺されると言う悲劇に見舞われます。
しかも、事件から僅か一週間で家は買い手が付き、殺戮現場となった子供部屋だけ解体されなくなっていました。
仲介業者にカチコミかけたジュリアは、以前にも同じような物件売買(事故物件を市場価格より高く買い取って、事件現場を解体。残った部分はリフォームして転売)があった事を知ります。
誰が、何のために…。
買い取った業者に企業実態は無く個人。辿っていくとニューイングリッシュという町に行き当たり…。
そこは《排他》を煮〆た一見さんお断りの田舎町。同時にジュリアと姉が生まれた場所でもありました。
本当はニューイングランドにしたかったんだと思いますが、それだとエリアが広すぎて田舎町になりません。
そこはかとなくクトゥルフを思わせる地名(実在してたらゴメンよ)。
町にやって来た男が教会で神を否定し、生贄と引き換えに奇跡を起こすという展開は「DAGON(インスマスを覆う影)」と丸被りなので、やはり意識しての事なのでしょう。
事故物件で立体パズルという発想は素晴らしいのですが、脚本がザルでクライマックスも腰砕けなのが残念無念。
絵面は割と「いい感じ」。
すっかりB級ホラーの「顔」になったリン・シェイがジュリアを温かく(?)出迎える住民で登場しておりました(「2001人の狂宴」リスペクト?)。
★何気に結構見ているダーレン・リン・バウズマン監督作品はこちら。
★ご参考
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