『上空を通過中の飛行船に緊急連絡。こちら特車二課第2小隊1号指揮車、篠原巡査!』
『…なんだと!? 貴様、本気でそんな事考えてるのか!?』
『緊急事態なんだってば!』
『よ~し分かった。やってやる!』
『野明、降りてくる飛行船に掴まれ。望み通り空を飛ばしてやるぞ!』
『やめてください!船長!』
『やかましゃあ!俺ぁ一度でいいからこういうのをやってみたかったんだ!免許剥奪になっても構わねえ!』
急降下する警視庁飛行船。歩道橋をまたぐ事もくぐる事も出来ず立ち往生しているアルフォンスの元へ。
「機動警察パトレイバー/OVA第2話・ロングショット」(1988年/押井守監督)より。
本日1月22日は「飛行船の日」。
1916年(大正5年)のこの日、大日本帝国陸軍の軍用航空船(初の国産飛行船)「雄飛号」が、埼玉(所沢)から大阪の実験飛行を行いました。
これまで飛行船と言えば「ヒンデンブルグ」とレッド・ツェッペリンの1stアルバム「レッド・ツェッペリンⅠ」ばかりをとり上げてきたので、今回はそれ以外の飛行船を思いつくまま。
『私を運んだタイムマシン。私を乗せて時の流れを乗り切った、あれが私のタイムマシン!』
いきなりの飛び道具で恐縮ですが、「御先祖様万々歳」(1989年/押井守監督)を。
「もし、うる星やつらのラムちゃんが宇宙人でも何でもなく、ただの詐欺師だったら」というとんでもない発想から生まれた加速度的一家崩壊のドラマ。
38年後の近未来からタイムマシンでやってきたという「血縁のアナーキスト」四方田麿子(よもた まろこ)。彼女が未来から来たことの証となるタイムマシンが黄色い飛行船(側面にはでっかくKodak)でした。
黄色い飛行船と言えばやはり押井監督の「パトレイバー2」。
自衛隊叛乱の鏑矢であると同時に保険でもあったクーデターの象徴が黄色い飛行船でした。
押井監督ものばかりだとバランスが悪いので、宮崎監督の「魔女の宅急便」も混ぜておきましょう。
ここからは実写を。
「ブラック・サンデー」(1977年/ジョン・フランケンハイマー監督)
劇場爆破予告のため、日本では劇場公開できなかった不遇の作品。爆弾抱えてスタジアムに突っ込んで来る飛行船の威圧感が圧倒的でした。
〆は「スカーフェイス」(1983年/ブライアン・デ・パルマ監督)
キューバからアメリカに渡って来た青年トニー・モンタナ(アル・パチーノ)がどん底から両手を血に染めて暗黒街をのし上がる。
見上げる空に浮かぶ飛行船。そこに描かれた電飾文字「THE WORLD IS YOURS」。それは天の祝福か。
★関連作品のレビューはこちら。
★本日のTV放送【13:40~テレビ東京/午後のロードショー】