実話ベースの災害映画には、大惨事が約束されている安心感があります。
「ブラック・サンデー」の飛行船は絶対スタジアムで自爆しませんが、こいつは違います。爆発します。確実に。
「ヒンデンブルグ」(1975年/ロバート・ワイズ監督)
冒頭、雲を抜けてゆったりと姿を見せるヒンデンブルグ号が実に優雅(音楽のデビッド・シャイアはいい仕事しています)。
爆発の原因には諸説あるようですが、ここでは“反ナチのレジスタンスによる爆破テロ”としています。
派手な見せ場は最後の爆発のみ。ここまで2時間引っ張るのは至難の業ですが、そこは名匠ロバート・ワイズ。飛行船内の密室劇を巧みに捌いて飽きさせません。
しかし、このおっさん、「西側話」とか「音楽音」みたいな映画撮るかと思えば「たたり」「オードリー・ローズ」「アンドロメダ・・・」の様なものも撮ったりで振幅広いなあ。
爆発シーンはニュースフィルムを流用・編集。ラジオ・アナの実況&絶叫が効果的。
実際の炎上シーンを観たい方はこちら→http://www.youtube.com/watch?v=YDU2MWJwJDc
因みに右の写真は、ヒンデンブルグ爆発事故をデザイン・モチーフにしたレッド・ツェッペリンのファースト・アルバムのジャケットを立体化したもの。
大きさはCD以上LP以下でちょいと小ぶりですが、結構“いい感じ”の出来。
これ眺めながら「幻惑されて」でも聴きつつ一杯・・いいなあ、暗くて。