『ねえ、気がついてる? あなた、帆場の話をする時、なんだかとても嬉しそうな顔してるわよ』
相手がとんでもなく強大だと分かった時、本気を出してもいいと知った時、人は笑うみたいです。
例えばこんな風に。
例えばこんな風に。
政近が本気モードにシフトしました。
「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん/第11話・予期せぬ前哨戦」(2024年9月11日TOKYO MX放送/大迫光紘演出)
政近が風邪でダウン。知らせを受けた有希はアリサに薬と看護のデリバリーを依頼。
更に駄目押しで従者・綾乃も投入。相変わらず兄想いだな、と思いきやこれが全部罠。
有希が仕切っている翌日の昼休み校内放送にアリサをゲストに招いての対談申し入れ。
揉めるCと揉めないEが遂に正面衝突。
事前に生徒会長選の前哨戦(終業式の立候補者挨拶)の前哨戦である事を明かした上での挑戦状。
煽って『政近には頼らない(病人に負担は掛けさせない)』と明言させた上で、体質的に政近が眠くなる成分を含んだ風邪薬を届けさせ、更に物理的足止めとして綾乃を。
何と言う狡猾な包囲網。
流石兄妹。笑い方がそっくりです。
闘いは本番前から。
前日の過剰に攻撃的な物言いを謝罪し、油断させた所で自分語り。自分には生徒会長にならねばならない理由がある。自分には超有能で家族の期待を一身に背負っていた兄がいたが、いなくなってしまった。私は兄の代わりに家族の期待に応えなければならい。それが残された者の使命だから。アリサさん、あなたはどう?
まあ、嘘は言っていません。「いなくなった」をアーリャは「死んだ」と解釈しましたが、それはアーリャの勝手。
この身の上話にアーリャは動揺。背負うモノのないアーリャは有希の覚悟の前にバランスを崩し…。
あーこれ金竜飛式精神攻撃ですね。
東洋バンタム級のチャンピオンベルトを賭けた矢吹丈とのタイトルマッチ当日。
初回の計量をパスできなかった丈に「自分は飢えのためにそうとは知らず実の父親を石で殴り殺した」という話を聞かせ、減量ひとつ満足にこなせない「満腹ボクサー」という劣等感を植えつけた金竜飛。
勝てるわけがないという刷り込みは丈を委縮させ…。
風邪薬の成分に気付いた政近が学校に駆け付けた時には全てが終わっておりました。
何ひとつ言い返せなかった。アーリャの反応は有希の期待した「落ち込む」ではなく「悔しい」。
そして政近の反応は「怒り」ではなく「笑い」。
『何で、笑っているの?』
所謂「オラ、わくわくしてきたぞ!」って奴です。
その邪悪な笑いを見たアーリャは、
『(ロシア語で)そういう顔も…いい』
ベタ惚れだなアーリャ。
有希をして「何をしても敵わなかった」と言わしめた「神童」が本気モードにシフトチェンジ。
終業式は有希に差をつけられない事を第一に考えていましたが、予定変更。
『向こうから仕掛けて来た以上、容赦なく潰す』
手始めに学生議会の一件を謝罪に来た谷山沙也加と宮前乃々亜をコンビで懐柔。
昨日の敵が今日の援軍。次回最終話。
おまけ
有希の命令で政近のお世話(兼足止め)をしにきた綾乃。業務命令にかこつけて私情ダダ洩れ。支えると称してしがみつき、寝室まで。風呂替わりに体を拭くという提案は政近が拒否。
『では、添い寝を。せめて子守唄を』
何だこの健気な生き物。
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