デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

東宝東和、ハッタリの神髄。 サランドラ

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一時は劇場公開はおろかソフト化も無理、と言われていた「ヒルズ・ハブ・アイズ」のDVDが春にもリリースされるようです。

何はさておき、リリース前にオリジナル版をチェックしておきましょう。

「サランドラ」(1977年/ウェス・クレイヴン監督)

77年製作なのに、日本では7年間も塩漬けにされて公開されたのは84年。

訳のわからない邦題(原題は「The Hills Have Eyes」)つけられた上に「全米38州で上映禁止」などという大嘘のハッタリかまされて、挙句に「ジョギリ」などという画面にはビタ一文出てこない凶器をウリにされてしまった不遇の作品です(さすが東宝東和!)。

お話は簡単。核実験場の砂漠に迷い込んだ白人一家が食人一家に襲われてさあ大変。

物凄ぉくロー・バジェットの作品だったようで、ほとんどノリと気合いだけで撮り切っているように見えます(誉め言葉です)。

16ミリフィルムのざらついた質感で捉えられた荒涼とした砂漠の景観が実にいい感じ。

大小の石が連なる斜面はさながら五百羅漢のよう。

一部でカルト的に大絶賛する声と対極にダメダメの烙印を押す声があるようですが、普通に佳作、だと思います。

後半、食われっぱなしの文明人が逆襲に転じるあたり結構盛り上がりますし。

リメイク版は監督が「ハイテンション」のアレクサンドル・アジャなので期待していなかったのですが、偉く評判が良いのでちょっと楽しみです。