本当は実相寺昭雄が撮ったんじゃないか、と疑りたくなるアングル目白押しの心霊クラシック。
「ヘルハウス」(1973年/ジョン・ハフ監督)
死後の世界は存在するのか。
調査隊が訪れたのはベラスコ・マンション、通称「地獄の館」。
「エクソシスト」の亜流みたいな言われ方をされてますがとんでもない。
イギリス映画らしい凛とした空気が満ちています(原作の舞台はアメリカ、メイン州)。
死後の世界に対して科学的なアプローチを試みるバレット夫妻。
女霊媒師フローレンス、そして前回調査隊ただひとりの生き残りベンジャミン。
オカルト・スリラーであると同時に、館の主ベラスコの謎に迫るミステリーでもあります。
最後にベラスコの霊を追い詰める方法はなんと「言葉責め」。
科学でも魔術でもなく「言霊」で立ち向かうってのが素敵です。
数ある「家もの」の最高傑作だと思います。