幻のカルト・ムービーをようやっと観ました。
「エル・ゾンビ 死霊騎士団の誕生」
(1971年/アマンド・デ・オッソリオ監督)
日本未公開のスペイン映画。
ビデオ発売時のタイトルは「エル・ゾンビ 落武者のえじき」(←これはこれで身も蓋も無くて素晴らしい)。
ゾンビを名乗るということは、ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」の影響下にあるということですが、オリジナルの要素もてんこ盛り。
ゾンビったってただの死骸じゃありません。中世の武闘派・テンプル騎士団の亡霊です。
黒魔術に通じ、永遠の命を得るために悪魔に処女の生贄をささげ、その血を吸い、遂には捉えられ処刑され、カラスに目を食われるまで晒し者にされたテンプル騎士団。
目の無い体に朽ち果てたローブをまとい、馬に跨って疾走する姿(しかもスローモーション)は詩的な美しさを湛えています。
目がないので心音を頼りに襲って来るという設定がまたいい感じ。
ストーリーは変死した友人の謎を追うという「サイコ」型。
全体通して「まったり」「ゆったり」としたテンポで進むのが難ですが、要所要所に、「レズ」「裸」「スプラッター」「レイプ」などを散りばめてポイントを稼いでいます。
ラストの情け容赦の無い殺戮パーティもグッドです(ってかこの辺りになるとテンプル騎士団を応援してました)。いいんですよ、別に生き残る奴なんかいなくたって。