デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

血滴子?! トレジャー・ゾンビ/蘇るテンプル騎士団の亡霊

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メタル・ゾンビが歌い、ナチス・ゾンビが踊り、テンプル騎士団の首が飛ぶ。

何がしたかったのかと監督を居酒屋で小一時間問い詰めたい衝動に駆られるカオスな闇鍋。

「トレジャー・ゾンビ/蘇るテンプル騎士団の亡霊」(2008年/アンドレアス・シュナーズ監督)

昨日の「ムカデ人間」に続いて舞台はドイツ。とある古城の改装を手伝いに来た女性アルバイト軍団。

その敷地内には66年に一度蘇って復讐の剣を振るうテンプル騎士団の墓地が。そして、正に今日は66年目のテンプル記念日!

何故か66年前にテンプルを迎え撃って返り討ちにあったナチス・ゾンビも御相伴で大復活。

ゾンビ軍団はお姉ちゃん集団を次々屠っていきますが、ここに先祖代々テンプルの墓守をしている修道士が華麗に乱入。

背負った円盤をフリスビーのように飛ばすと、袋状に変形してゾンビの頭にスポ。紐を引けば内側に仕込んだ刃で首スッポン。おお、こ、これは!

滴子・・空飛ぶギロチンじゃないですか!

修道士曰く、『かつて私は上海で7人の吸血鬼と戦った。その時に会得したのが、この空飛ぶギロチンだ』

まさかそれって「ドラゴンvs7人の吸血鬼」の事じゃあるまいな(風呂敷広げ放題だな…)。

テンプル騎士団と言えば「エル・ゾンビ」シリーズですが、ああいう幽玄な感じはありません。

首チョンパ、腕チョンパ、胴チョンパ、全身唐竹割りその他、気合の入った人体破壊を次々見せてくれますが、編集が下手糞なので、何を見せたいのか焦点が全く定まりません。

古城で演奏する予定のメタル・バンドが、移動中に全員あっさりゾンビ化しちゃうのですが、ゾンビになってもメタル忘れずで、古城まで来てしっかりギグります。

地球はひとつ。メタルでひとつ。テンプル、ナチス、お姉ちゃん、皆縦ノリ。

このレイヴ会場の外では生き残り組がゾンビとバトルロワイヤル。2場面並行進行ですが、兎に角、編集が下手糞なので(以下略)。

このメタル・ゾンビ、GANG LOCOという実在のバンドでCDも買えます。

写真下がCDジャケ。「男たちの挽歌」を捩ったタイトルといい、まあ、お馬鹿な連中のようです(Amazonで買えるので聴いてみたい方はどうぞ)。

ある程度腹を括れば、それなりに楽しめる作品ですが、お姉ちゃん軍団に美人がひとりもいないのが画竜点睛を欠いて残念無念。

「悪魔の狂暴パニック」を観て以来、スキンヘッド女萌えになってしまった特殊性癖の方はご満足頂けるかもしれません。

※参考:「エル・ゾンビ/死霊騎士団の誕生」→2008年3月28日
    「エル・ゾンビ供浸猯酩鉷荳廖廣2008年6月3日
    「副作用は十年殺し…。悪魔の狂暴パニック」→2011年3月9日