
フランスが舞台のスペイン映画で英語吹き替え、何故か所々にドイツ語の字幕が入る・・散逸していたフィルムを発掘・編集した発売元の苦労が偲ばれます。
にしてもよく発売にこぎつけたな。偉いぞ、エプコット。
「ザ・ソンビ/黒騎士のえじき」(1973年/カルロス・アウレド監督)
中世のフランス。吸血、人肉喰い、黒ミサその他諸々の悪行で首チョンパされた黒騎士マルナク(ポール・ナッシー)と妻の魔女マビーユ。
時は流れて現在。マルナクの兄弟の血を引くヒューゴ(ナッシー二役)と愉快な仲間たちがマルナクの首を掘り起こしちゃったからさあ大変。
魔女、吸血鬼、ゾンビと盛り沢山。合間にゴアシーンとおっぱいが交互に入るという鉄壁のフォーメーション・・ではありますが。
ナッシーが僅か1日で書き上げたという脚本は、勢いはありますが辻褄が滅茶苦茶。
さらに、映像の一部が欠落しているようで、“前振りあってもオチは無し”な箇所多数(明らかに途中から女一人増えてるし・・)。
自分たちを処刑した者の末裔を呪い倒して復讐を果たすと言っていたのに、蘇った二人は“ええっと、結局君ら何がしたいの?”な大迷走(しかも弱い!)。
マルナクが加藤保憲くらい強ければ、かなり違った印象になったと思います。
村人が勝手に犯罪者を射殺したり吊るしたりして喜んでいる描写は“田舎怖ぇ!”な雰囲気満点でいい感じでしたが。
なかなかお眼にかかれないポール・ナッシー(世界で最も多く狼男を演じた男ですが、出演作全て未公開)をイヤってほど拝めるだけで貴重なビデオではあります。