デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

仏の玩具職人は凄いぞ。 ヘルレイザー4[Blu-ray]

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BOXセットからは外されてしまいましたが、EP1とFinalを無理矢理くっつけた「4」が待望のBlu-ray化。

これで初期4部作がコンプリートされました。

ヘルレイザー4[Blu-ray]」

(1996年/アラン・スミシー名義ケヴィン・イエーガー監督)


アラン・スミシーになってしまった原因は監督とディメンションが編集方針でモメたから、のようです(出典:Wiki)。

「1」の素晴らしさには遠く及ばないものの、無駄に広げた大風呂敷のおかげで「2」「3」よりは遥かに面白くなっています。

原題(サブタイ)は「BLOODLINE」。血脈です。

冒頭いきなり宇宙ステーション(写真上)。「なんですとぉ!?」なオープニング。

ステーションの名前は「ミノス」(迷宮に相応しいネーミングだ)。このミノスを設計者であるポール・マーチャント博士が占拠。

彼はここで何をしようとしていたのか。船内で拘束されたポールは自らの出生と行動の目的について語り始めます。

事の発端は18世紀フランス。玩具職人フィリップ・ルマルシャンは、黒魔術に精通した貴族デ・リールの依頼でパズルボックスを作成。

それは地獄の扉を開く禁断の鍵。

デ・リールはパズルボックスを開いて悪魔を召喚。生贄の女性に宿った悪魔はアンジェリークとして蘇生します。この光景を覗き見たルマルシャンは、

『はうあ! 俺は何と言うものを作ってしまったんだ! 一生を、いや子孫末代まで懸けても地獄の扉を塞いでみせる!』

EP1としては申し分の無い展開です。よくこのフランス・パートを「中世編」と称している人がいますが、18世紀は中世ではありません。

時は流れて現代。アメリカに渡ったパズルボックスを追って来たアンジェリークは魔道士ピンヘッドと接触、自らも魔道士に。

ここで魔道士軍団は、建築デザイナーとして成功を収めたルマルシャンの子孫ジョン・マーチャントと一戦(ジョンは仕留めるが、子供は生き残る)。

そして未来(映画の時間軸としては現在)。ジョンの子孫ポールは宇宙ステーション・ミノスを巨大な罠として魔道士を誘い出し、永きに渡る抗争に決着をつけようとしていたのでした。

まあ、悪側のヒロインであるアンジェリークが美人ではない(写真3枚目。依り代が貧農の娘という設定なので仕方無いっちゃあ仕方無いのですが)とか、魔道士に変貌したアンジェリークのコスチュームが間抜け(写真4枚目)とか、イマイチ、アンジェリークの活躍が少ないとか文句は多々ありますが、数世紀に渡るルマルシャン一族と魔道士の戦いというコンセプトは好感度大です。

因みに、ルマルシャン、ジョン、ポールはブルース・ラムゼイの一人三役。

最初の18世紀のパートだけ金と時間を掛けてリメイクしてくれないかなあ…。