『俺の名は9番。9番目の核保有国だ』
元祖「ありえねー!」映画です。
中学の理科の教師、城戸(沢田研二)が、東海村からプルトニウムを奪取、自宅アパートで金属プルトニウムを精製して原子爆弾を作製・・・さて、どうしよう・・・とりあえず、巨人-大洋戦の完全中継とかローリング・ストーンズの来日講演とかを政府に要求してみるのですが・・・。
『エネルギーとは何ぞや?エネルギーとはチカラである!』という城戸の台詞そのままに全編チカラが漲ってます(あらゆる意味でリメイク不能)。
対峙する山下警部役に菅原文太。
城戸と山下が出会うきっかけがまた凄い。
遠足のバスジャック。犯人は伊藤雄之助!目的地は皇居!
『陛下に、お会いして、話すことが、ある。・・・息子を、返してもらうのだ!』
こんな絵、今や絶対に撮れません(多分ゲリラ撮り。伊藤雄之助は西部警察の第1話でも似たような役をやってましたな)。
城戸がダミーの原爆を仕掛けるのは国会議事堂。堂々と正門から入っていきます(完全ゲリラ撮り!)。
メーデーの集会に紛れて現金引渡しシーンを撮影し、百貨店を封鎖した挙句に隣のビルから5億の紙幣を撒き散らす・・・・本当に許可とって撮影したのでしょうか?
また、この百貨店では沢田の居所を特定するために、東京中の電話を不通にして逆探時間を短縮するというスペクタクルなシーンがありました。
で、クライマックス。菅原文太がターミネーターになります(笑)。もう、ありえねー&ありえねー。
監督のゴジさんこと長谷川和彦はこの後、念願の大作「連合赤軍」を撮るはずでした。
交通刑務所なんぞに入らなければ・・・・。
原案・脚本はレナード・シュレイダー(脚本は長谷川和彦と共同)。
何気にカルメン・マキ&OZの「私は風」が流れていたり、70年代の雲気が凝縮されています。批判的な声も聞きますが、こんな破壊力のある映画、今誰が撮れる?