デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

サイボーグ009「太平洋の亡霊」その1

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『ところでお前は何に乗っている?』

『これは、航空自衛隊の・・・』

『ではお前はまだ戦争で飯を食っているんだな!』

『戦争?ばかな!』

それではなぜ、武装している?俺は明日の平和を信じて、命を捨てた。その死を犬死にさせるつもりか?戦争で儲け、戦争で食う日本人がひとりでもいる限り、死んだ我々に平和はない!』

太陽を盗んだ男」で皇居に突っ込んだ伊藤雄之助を見ていたら、つい思い出してしまいました。

私的泣けるアニメ号泣部門第二位です。

 

サイボーグ009 第16話 太平洋の亡霊」
(1968年7月12日放送/辻真先脚本)


戦後30年。真珠湾に突如として日本海軍の亡霊が蘇る。
特殊潜航艇が、ゼロ戦が、月光が、桜花が、回天が、そして遂に海底から大戦艦(どう見ても大和です)が!


次々と復活する日本海軍になす術のない009らとギルモア博士。

『大戦艦まで浮上した。日本海軍の記念碑がことごとく蘇ってきたわい』

『まだひとつ残っているよ。連合艦隊の旗艦さ』

長門?!あれが生き返ったら大変な事になるぞ。敵と戦って沈まず、国破れて、敵国の残忍な武器の実験材料にされ、海に沈められてしまった・・・。長門に武人の心あれば、どんなにか悔しかったことだろう。長門にこそ日本海軍の恨みがこもっているのだ!


そしてビキニ環礁放射能を全身に湛えた長門が浮上、一路、サンフランシスコへ。
これを阻止せんとする米国海軍の決定はなんと原爆投下。

イギリス人007がアメリカ人002を糾弾します。

『持ってるからって気安く使うな!』


結局、長門は原爆をものともせず、放射能を増幅させアメリカへ一直線。

誰が、何のために、どうやって日本海軍を復活させたのか?

テレビアニメにしては重すぎるテーマですが、後半の展開はこちらの想像を遥かに超える超重量級なものでした(つづく)。

 

★後半はこちら。