『リイチ、喧嘩は勝たなあかんねんで!』
終わらない祭は永遠の夢。
「岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇」
(1997年/三池崇史監督)
井筒監督がナインティーンナイン(以下ナイナイ)を起用して撮影した「岸和田少年愚連隊」の正当な続編。いわば異父兄弟なのですがテイストは異質。
主演は映画初出演の千原兄弟(ナイナイとは犬猿の仲らしい)。
ノリとテンポはピカイチでしたが、始終単調な暴力描写が続くメリハリに欠けた「井筒岸和田」に比べ、「三池岸和田」は等身大でリアル。
時折、突拍子も無いシュールな映像が挿入され、ラスト近くには「あり得ない展開」が待っていますが、無茶とヤンチャを差し引いても、一級品の青春映画になっていると思います(「走ってるんじゃない、止まれないんだ」という惹句がまたいい)。
とにかく千原ジュニアの存在感が圧倒的。
ナイナイ矢部にはなかった「喧嘩が強い」という説得力がその三白眼から滲み出ています。
支える共演陣がまた豪華。
井筒岸和田ではナイナイ岡村が演じた子鉄をやべきょうすけが、喧嘩相手の定を北村一輝が演じているのですが、どちらも役作りが「喧嘩の花道」と全く同じ(最高です!)。
そして、道端で絶対に出会いたくない「リアル・カオルちゃん」中場利一(原作者)。
ヒロインは鈴木紗理奈。この時の彼女には間違いなくオーラがありました(歌は頭抱えるくらい下手ですが)。
貴方は井筒派?三池派? 私は断然、三池派です。