デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

男、男、男の映画。 北国の帝王

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『お前は向こうっ気だけで心がねえ!口だけ達者でも駄目だ!』

男、男、男の映画。

北国の帝王
(1973年/ロバート・アルドリッチ監督)


1933年、オレゴン。大不況時代。

機関車タダ乗りで各地を移動する失業者「ホーボー」が大量発生。

『切符買う金なんかねえ!』
by無賃乗車の帝王Aナンバーワン(リー・マーヴィン)。

『タダ乗りする奴はぶっ殺す』
by鬼車掌シャック(アーネスト・ボーグナイン)。


どっちにも理由なんざありゃしません。意地ですよ、意地。

機関車にしがみついた途端、シャックの金槌が唸りをあげて飛んでくるんですから無賃乗車も命懸けです。

ここにAナンバーワンに憧れる若造(キース・キャラダイン)が絡むのですが、ちっちっちっです。顔力が違います。つんつる童貞野郎の出る幕ではありません。

にしても、「乗せろ!」「嫌だ!」、この攻防だけで詩情漂う骨太な男のドラマを作っちまうんだからやっぱ70年代は最高です。

ラスト、山々に木霊するリー・マービンの「お説教」をしっかと胸に刻みましょう。