『大笑い 三十年の馬鹿騒ぎ』
伝説の厄ネタやくざ石川力夫の破滅的半生を渡哲也が狂演。
感情の赴くまま人も秩序も見境無くぶち壊す。
女房の遺骨をボリボリと齧り、ヒロポン中毒になって親分にすら手を上げる。
どこを切っても金太郎飴のように暗い、悲惨と陰惨をミルフィーユのように重ねた大傑作です。
27年後、果敢(無謀?)にもこのリメイクに挑んだのが、
石川力夫(劇中の役名は石松陸夫)を演じるのは岸谷ゼナ五郎。
爽快感の極北にある無常観がよく出ておりました。
新旧ダイブ比較は、やはりその衝撃度においてオリジナルの勝ちでしょうか。
石川力夫、享年30歳。その墓石に刻まれた文字は「仁義」。