デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

藤岡弘、に訊け! SFソードキル

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『武士は死の準備に一生をかけた。いざという時、恐れず死に立ち向かうためだ』

トンデモ・サムライ映画かと思いきや、意外にも真摯な武士道映画でした。

「SFソードキル」(1986年/J・ラリー・キャロル監督)

真面目の原因は現代のサムライ、藤岡弘、

まあ、冒頭「MOTOSUKA JAPAN」という「どこだよ!?」な字幕が出て不安をかきたてますが、これはコメンタリーによれば「本栖湖」の誤植。

この「モトスカ」で発見された冷凍保存状態の武士、タガ・ヨシミツが、カリフォルニアの低温外科療法研究所(あるのか、そんな所?)で、400年の時を超えて復活。

一歩間違えればニンジャ同様爆笑必至なモンド映画になるところですが、そこは武士・藤岡。

真剣を持ち込み居合を披露、ビビるスタッフに武士道を語り、脚本の不備を訂正させ、日本人が観ても納得のいく侍映画に軌道修正。

ブルース・リーですら成し得なかったアジア人一枚看板のアメリカ映画となりました。

握手という習慣を知らないヨシミツが、退役軍人の老人と心通わせ、その手を握るシーンはちょいとばかし泣かせます。

400年前と現代がシンクロしていくあたりも含めて実に秀逸な脚本だと思います。

真面目な分、演出的な遊びは押さえ気味ですが、ヨシミツが初めて耳にする現代音楽がW.A.S.Pというのは笑えます。