オリジナルの記憶は彼岸の彼方なので、忘却の努力は不要(ってか完全に忘れている)。
というまっさらな状態で対峙しましたが・・・。
薄いなあ。何もかも。50倍に希釈したカルピスみたいだ。
「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」
(2008年/樋口真嗣監督)
オープニングの三国(秋月、山名、早川)解説シーンでいきなり大混乱。「こ、これは本編なのか、予告なのか、新作の特報なのか?!」
こんな口上で物語世界へ誘うつもりなのか。映画だぞ、一応。プレステじゃねえぞ。
で、なんだこの戦後民主主義にどっぷり浸ったスイーツな設定は。時代劇だぞ、一応。身分制度なんかあって当然で、武士には武士の義と責任があるだろうが。
それを現代目線で身分制度批判みたいな事をするから、登場人物のキャラがべらっべらで厚みも深みもありゃしない。
松潤はまだいい。興行的事情もあっただろうし、真田広之の若い頃に似ていると言えない事もなくはない。
ただ、宮川大輔はないだろう。長澤まさみは・・まぁいいや(←どこから手をつけていいか分からない)。
ダースベイダー・コスプレで熱演の椎名桔平もキャラ立ちゼロでギャグにしか・・。
クライマックスで砦が爆発しますが、山ひとつ崩す勢いの大崩落の中、爆心地にいたはずの真壁六郎太(阿部寛)が、宮川助けて馬2頭奪って落差何百メートルか分からない山を下って炎の中から無傷でこんにちはって、舐めとんのか?!
今回オリジナル部分の脚本書いたのは劇団☆新感線の中島かずき。「髑髏城の七人」とかと同じノリで書いちゃったんだろうなあ。
世の森羅万象全てを舐めきったエンディング・テーマに久々殺意が湧きました。
樋口っつぁん、お願いだからもう演出しないで。
※参考:「ローレライ」→2008年5月30日
「日本沈没」→2008年5月31日