金持ちも貧乏人も、老いも若きも男も女も平等にくたばっちまう素敵な終末観「デストピア」。
デストピア映画の金字塔と言えば問答無用で「ゾンビ」。そのエピゴーネンたる作品群はいずれもデストピアの系譜ですが、今回はクトゥルー神話を材にとった異色作を御紹介。
「マウス・オブ・マッドネス」(1994年/ジョン・カーペンター監督)
クトゥルー神話とは作家HPラヴクラフトが生み出した恐怖の神話体系。新しい神と伝説、旧支配者の復活による終末世界などが描かれている(とよく解説されています)。
マウス・オブ・マッドネスは、ラヴクラフト原作ではありませんが、クトゥルー的世界観をカーペンター流にアレンジしたデストピア映画です。
壁全体を十字架のサインで埋めつくした精神病院の一室で元保険調査員が語る恐怖体験とは? 謎の作家サター・ケーンの小説が実体化し、旧支配者が覚醒する・・・。
主演はサム・ニール(ダミアンですね)。何気に特撮がILMだったり、今年4月に死んだチャールトン・ヘストンが出ていたりと、なかなか豪華な面子ですが、紅一点が所謂「綺麗どころ」でないあたり、いかにもカーペンターって感じで好感度大です(笑)。