まずは左の写真をご覧ください。
似ていると思いません?
上は、水木しげる先生がラヴクラフトの「ダンウィッチの怪」を翻案した「地底の足音」の貸本時代の表紙。
下は、ジョン・カーペンター先生がラヴクラフト的なものに挑戦した「マウス・オブ・マッドネス」で、作家サター・ケーンが発表した小説「In The Mouth Of Madness」の表紙。
月下、何か恐ろしいものから逃れようとしている男。背景を斜めに切り取った稜線。その上に佇む館。
見事にイメージの重なる2枚です。
「地底の足音」が発表されたのは昭和37年。貸本時代の作品ですし、読む機会はないだろうと思っておりましたが、何と文庫になっていました。
「魍魎 貸本・短編名作選 地獄・地底の足音」
舞台は鳥取。ダンウィッチは八つ目村、ミスカトニック大学は鳥取大学、ネクロノミコンは死霊回帰、ヨグ=ソトースはヨーグルト(!)という名称になっています。
「インスマスを覆う影」の時も思いましたが、日本の田舎とラヴクラフトは相性が良いようです。翻案の違和感がありません。
勿論、水木先生にしか描けない独特の妖気があってこそですが。
カーペンターには、また「マウス・オブ・マッドネス」みたいな映画を撮って欲しいなぁ。