地味で客も入らなくてスタローンのキャリアとしては黒歴史かもしれませんが、大好きです。
「F.I.S.T.(フィスト)」
(1978年/ノーマン・ジュイソン監督)
しがない荷積み労働者ジョニー・コバック(スタローン)が、全米長距離トラック協会のドンにのし上がっていきます。
F.I.S.T.とは「Federation of Inter State Truckers」の略ですが、そのまま読めば「鉄拳」。
『What are we?』『FIST!』というアジテーションが実にかっちょいい。
組合の支部長が警察の銃弾に倒れたのをきっかけに、コバックは闇社会の力と結託して一気に勢力を拡大していきます。
圧倒的な暴力で、経営者・権力者をなぎ倒していく様は、ビル・コンティの勇壮な音楽と相まってアドレナリン大放出。このシーンで心に灯のともらない奴とはちょっと友達にはなれません。
展開だけ見ると、正に一足早い「スカーフェイス」であり、一足遅い「ゴッドファーザーPart2」なのですが、どちらにもなれなかったのはアル・パチーノとの役者力の差でしょうか。