「狼よ静かに死ね」で、決戦に赴くドニー・イエンが拳銃を返上するシーンで、「おいおい、丸腰で殴りこみか?」と思いましたが、ドニー先生は素敵な武器を持っておりました。
「スライド式スチール警棒」です。
私も学生時代、バイトで愛用しておりました。
バイト先は川崎の映画街。中途半端にお洒落になってしまった今と違い、25年前の川崎は三池監督が映画を撮りそうな、ちょいと素敵な空間でした。
ある日の事。最終上映が始まって、さてパンフレットの売上でも数えるべえか、と思ったら、通路の奥で絹を裂くような(←死語だな)女の悲鳴が。
通路の奥は女子トイレ。間髪を入れずトイレのドアを蹴り開ける音。間違いありません。痴漢です。
瞬間、私の脳裏にひとつの言葉が・・・・・・・「殴れる」
天が与えたもうた千載一遇のチャンス。カウンターを飛び越え様に腰の警棒を引き抜いて走りながらぶんと一振り。アドレナリン大逆流です。
しかし、痴漢は非常口を蹴破って外へ。表通りに出た時、奴の姿は完全に雑踏に飲み込まれておりました。
警棒を使うチャンスが巡って来たのはこの日が最初で最後。いやあ残念!
※関連:「やっぱ香港は熱い SPL/狼よ静かに死ね」→2008年7月12日