
カーペンター版「遊星からの物体X」のオリジナル版なのですが、ううむ、今回ばかりはリメイク版の勝利かも。
「遊星よりの物体X」(1951年/クリスチャン・ナイビー監督)
北極に謎の円盤が不時着、掘り返そうと爆薬使ったら円盤に引火して木っ端微塵(マヌケ)。
近くで乗務員が氷漬けになっていたので、掘り返して基地に持って帰ったら、復活して大暴れ。
リメイク版のような「肉体の乗っ取りと同化」はありません。サンダとガイラとフランケンシュタインを足して割ったような力持ちの大男が「うがー!」と襲い掛かってくるだけです。
まあ、怪物のメイクがチープなのは1951年という事で致し方なし、としても、この空気の緩さというか緊張感の無さはどうした事でしょう。
かなり切羽詰ったシチュエーションだと思うのですが、何故か皆余裕かましまくり。
例え相手が宇宙人でもアメリカが負ける訳ないじゃんbyハワード・ホークスみたいな(笑)。
攻防の度に失神していた新聞記者が得意げに「Watch The Sky」とか言うのも、なんじゃらほいって感じだし。
閉鎖空間パニックと確保か殲滅かの対立が「エイリアン」の原型と言われればそんな気がしなくもないですが、なんか違うような。
ちょっと「ノンマルトの使者」のキリヤマ隊長を思い出してしまいました。