デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

臆したか映画秘宝!? ウルトラセブン研究読本

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スルーかよ!?

かつて“ぴあテン&もあテン”連続入賞がきっかけとなって「2001年宇宙の旅」のリバイバル公開が実現したように、読者投票ベストテンが“あの”エピソード解禁に繋がれば、と思って紹介(2012年8月25日)したのですが、見事に裏切られました。

よもや、影も残さず抹殺されようとは・・・。

「別冊映画秘宝 ウルトラセブン研究読本」洋泉社発行)

読者投票BESTエピソードを上から列記します。

「狙われた街」「第四惑星の悪夢」「史上最大の侵略」「ノンマルトの使者」「盗まれたウルトラアイ」「ダークゾーン」「ウルトラ警備隊西へ」「円盤が来た」「超兵器R1号」「湖の秘密」

何と第12話「遊星より愛をこめて」は圏外!! ありえません!

しかし、良く見ると「湖の秘密」は11位。

おや?っと思い見直すと、8位「円盤が来た」に続く「超兵器R1号」が何故か10位。

9位がありません! 別ページの寸評も8位の次は10位。

どう考えても、ここに12話が入っていたとしか思えませんが、誰もそのことに触れていません。当たり前のように8の次は10。

恐らく全ての原因は奥付にあるこの1文――“監修:株式会社円谷プロダクション”――なのでしょう。

「12話に触れる事はいかなる理由があっても許さない。触れるのならあらゆる資料の提供を拒絶する。勿論、以降出入り禁止」

くらいの事は言われたんでしょうね、きっと。

12話は存在しない。存在しないのだから視聴率も公表しない。存在しないエピソードに関する資料ははじめから無く、当然これに起因する社会問題も起こりえない。故に“ひばく問題”に触れる事など論理的に有り得ない。

という事なのでしょう。

たとえ写真の掲載はできなくとも、「第9位にランキングされた第12話は現在欠番となっており、写真その他資料の掲載はできません」くらいの但し書きを入れる事はできたはずです。

それすら無い。如何に円谷が憲兵的検閲を徹底させたかの証左でしょう。

この問題に触れずして「研究読本」を名乗る・・私ならちょっと恥ずかしくてできません。大人の事情というのなら、最初からこんな企画を挙げるべきではなかったのでは?

余談ですが、12月11日発売予定の北米版DVD-BOX「ULTRASEVEN THE COMPLETE SERIES」(写真下)にも12話は収録されていません。

権利関係はチャイヨーとクリアしているようなので、あるいはと期待しましたが、円谷の魔の手は海の向こうまで届いているようです。

※参考:「やはり欠番か…。ウルトラセブン/遊星より愛をこめて」
      →2011年3月13日
    「投票募集の真意は? ウルトラセブン/ノンマルトの使者」
      →2012年8月25日