何という豪華面子。何というダダ滑り感。
旬の人から過ぎた人まで一堂に会した動く集合写真。
「キャノンボール2」(1983年/ハル・ニーダム監督)
旬の人一番は何と言ってもスーザン・アントンでしょう。
カメリア・ダイアモンドのCMで人気爆発。歌えば「フォクシー」(1981)大ヒット!
残念ながらその後大成はしなかったので、本作は彼女を存分に拝める貴重な一編。
因みに彼女の後を継いでカメリア・ダイアモンドCMに起用されたのが、前作「キャノンボール」のヒロイン、ファラ・フォーセット・メジャースです。
今回は、レースと平行して、カジノを仕切る親分(テリー・サヴァラス!)から借金している落ちぶれたマフィアと、そのマフィアから借金しているレース参加者(サミー・デイビス・Jr)がレースの賞金と主催者であるアラブの豪商を狙うという借金連鎖話が繰り広げられるのですが、これが滑る滑る。
ゴッドファーザーのパロディ・シーンにマイケル・V・ガッツォとエイヴ・ヴィコダ(テッシオだ!)という“本人”まで投入したのにまるで笑えません(驚きはしましたが)。
マフィアの中には「シャーキーズ・マシーン」でバート・レイノルズと因縁の間柄だったヘンリー・シルヴァがいるのにバートとは絡まず。勿体無ぇ!
バートのお相手はまさかのシャーリー・マクレーン。何でこんな作品(失礼)に出たんでしょ。
シャーリーのシスター・コスプレ(「サウンド・オブ・ミュージック」の衣装という設定)は「真昼の死闘」オマージュなんだと思いますが、活かしきれているとはとても…。
終盤にはゴッドファーザーの登場人物(歌手ジョニー・フォンテーン)のモデルと言われているフランク・シナトラが本人役(影の業界実力者…ってそのまんまやないか)で登場。
時折、スタント・ドライバーが華麗なハンドル・テクニックを披露してくれますが、レースとしての緊迫感はゼロ(もう、ゆったりまったりのんびり)。
最後には金が尽きたのか(はたまたやる気が失せたのか)、ルートを安いアニメで誤魔化した挙句、翌日の復路で勝負だ!みたいなノリでエンド。
おいおい、お正月映画だからって、いつからキャノンボールって往路復路の箱根駅伝になったんだ(アラブの豪商主催だから特別ルールだったのか)。
前年の「メガフォース」と本作でハル・ニーダムの監督人生は幕となりました。合掌。
※参考:「追悼ファラ・フォーセット。キャノンボール」→2009年6月27日