『お前は運転し、俺は怯える。2000ドルは恐怖の報酬だ』
前半は倦怠感と焦燥感。それが、後半の緊迫感の伏線となって最後は無常観へ。
初見の時は前半の1時間がやけに長く感じましたが、人物関係を理解した上で再見したら、このバランスがベストだと分かりました。
「恐怖の報酬」
(1953年/アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督)
中米の町ラス・ピエドラス。灼熱の掃き溜め。フランスからドイツからイタリアから「ワケあり」で「カネなし」な男たちがこんにちは。
潤っているのは石油採掘しているアメリカ人だけ。その採掘場で夏祭り大火災発生!
「くっそー、景気良く燃えやがって! 爆風で吹き消してやる。ニトロだ、ニトログリセリン持って来い! 危険?組合? 金積んで喰い詰め外人に運ばせろ!」
貧乏外人の命は安い。未舗装の山岳地帯をわずかな衝撃で大爆発を起こすニトロ満載したトラックが2台。デッド・オア・アライブな宅配便。
ここからのサスペンスはちょっと半端じゃありません。肩凝りました(笑)。
トラックの爆発を伝えるのが「火」でも「音」でもなく「風」って所がいいですね。
所でフリードキン版リメイク(のディレクターズ・カット版)DVDは一体いつ発売されるのでしょう。輸入版は出てるんだからとっとと移植してくださいよ、CICビクターさん。
※参考:「(フリードキン版)恐怖の報酬」 →2008年2月12日