私生活でラブラブだったソンドラ・ロックをヒロインに自ら監督・主演という「会社の金で彼女と温泉行っちゃった」みたいな映画なのですが、武装バス・フェチとしては外すわけには参りません。
「ガントレット」
(1977年/クリント・イーストウッド監督)
組織絡み裁判の証人をラスベガスからフェニックスまで護送する事になった酒びたりの駄目刑事ベン・ショックリー(イーストウッド)。
男だと思っていた証人は美形で知的な娼婦マリー(ロック)。はい、ご馳走様。
楽な仕事のはずが、行く先々で銃弾の雨あられ。
どこの世界に家が崩れ落ちるまで銃弾撃ち込む警官がいるかっちゅうの!なんて事は言わない約束。
普通この手の映画はアクションとアクションを(アクションを成立させるための方便として)ドラマが繋いでいくものですが、これは逆。
イーストウッドとソンドラ・ジュテーム・ロックのムーディな絵柄を成立させる為に「家蜂の巣」「パトカー蜂の巣」「バス蜂の巣」という無茶なアクションが釣る瓶打たれるという“愛があれば辻褄なんて”な構成になっています。
とは言え、クライマックスの武装バス一斉射撃シーンの美しさは絶品。
道の両側を一列に並んだ武装警官がショットガン乱れ撃ちというありえないにも程がある(除く西部警察)シーンですが、穴だらけ満身創痍のバスがのろのろと歩を進める様は、84年ロス五輪女子マラソンのアンデルセン選手(スイス)の如き神々しさ。
そして最後の最後までソンドラ・アモーレ・ロックに花を持たせるイーストウッドの色男ぶり。
色んな意味でおなか一杯の一本です。