デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

押井守も完コピ。 けんかえれじい

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東京で青年将校が叛乱。そのニュースに騒然とする会津

『喧嘩だ、大喧嘩だ!これを見なくちゃ男がすたる。行こう!』

号外には見覚えのある男の顔写真。あの日、カフェで微笑んでいた不思議な男。

“叛乱の思想的指導者-北一輝

『杉田・・東京に行くぞ!』

吹雪の中を爆走する機関車。まさかこのシーンをパトレイバーで再見する事になろうとは。

 

けんかえれじい(1966年/鈴木清順監督)


旧制中学に通う南部麒六(高橋英樹)が喧嘩に明け暮れる青春コメディ・・なのですが、ラストで唐突に226事件がシンクロ、一気に喧嘩のスケールが大きくなります。

前半は下宿屋のひとり娘・道子(浅野順子)に惚れた麒六が、青春の悶々を持て余し、手を使わず腰の上下運動だけでピアノを弾くという「若いって素晴らしい」シーンもある「絵的にはややシュールだが基本ラブ・コメ」なのに。

それが、このラストシーンのおかげで一気にカルト。印象上書き誉れ上塗り。

これを押井守が「OVA版パトレイバー/二課の一番長い日(前編)」で華麗に完コピ。

野明の実家・苫小牧を訪れていた遊馬。TVから自衛隊クーデターのニュースが。

『遊馬、行こう。ここでやらなきゃレイバー隊の名がすたる』

ニュース画面に大写しになる一枚の写真。昨日、駅の蕎麦屋で立ち喰いのプロのように蕎麦をすすっていた男。

“反乱の思想的指導者-甲斐冽輝”

『野明・・東京に行くぞ!』

吹雪の中を爆走する機関車。なんとここまで完璧にコピーしていたのか押井守

この後に被るナレーションは、まんま「けんかえれじい」にも使えそうです。

“東京で俺たちを待っていたのは、戦争だった・・”

※参考:「機動警察パトレイバー/二課の一番長い日」→2009年7月20日