手持ちブレブレ、アップ多用でコマ切れ編集、流れを断ち切るカットバック…。
あからさまな「ボーンなんちゃら」の悪しき模倣。
実際、編集には「ボーン・スプレマシー」のリチャード・ピアソンが参加。駄目押しで“監督がアクション初演出”。
八針縫った挙句に美容整形までするハメになったダニエル・クレイグにはちょっと酷な気もいたしますが、心を鬼にしてこの一言を。
「うわあ、つまんねえ」
「007/慰めの報酬」
(2008年/マーク・フォースター監督)
(2008年/マーク・フォースター監督)
前作「カジノ・ロワイヤル」から切れ目無しの続編。細かい所まで覚えていないと話が全く繋がらないので要注意です。
アストンマーチン、ワルサーPPK、ゴールドフィンガー・リスペクトな石油漬け女、最後の最後にガンバレル・・“らしい”シーンや小道具はあるのですが・・。
つるべ打ちのアクションは冗長で退屈。肉弾戦はジャッキーの足元にも及びませんし、空中戦なら「カプリコン1」の方が100倍凄いです。
お話もスケールが大きいんだか小さいんだか。何も解決しないまま終わったところ見ると、次もまだ引っ張るつもりなんでしょう(いい加減にしろよ)。
別に旧シリーズに思い入れなんかありませんし、ダニエル・クレイグが駄目とも思いませんが、この脚本この撮影この編集では褒める所がありません。
マーク・フォースター監督は「チョコレート」という腰の据わったビターな大人の恋愛ものを撮ったりしているので、力量はあると思うのですが。
次もこの路線で行くんだったら、俺はパスかなあ。
ところで、Mのメイク落としシーンって必要だったのか?
あと、「慰めの報酬」って原題直訳の邦題考えた奴は減俸の上、二階級降格な。
★ご参考