『もし、これが夢なら、現実は夢の中だ』
(If this is a dream, the whole world is inside it.)
何かエヴァ旧劇場版の予告ナレーション『生は死の始まり。死は現実の続き。再生は夢の終わり。私の事好き? 微笑みは偽り。真実は痛み。溶け合う心が 私を壊す』を思い出してしまいました。
なんのこっちゃ?と思われるかもしれませんが、これはまぁそういう映画です。
「ステイ[stay]」
(2005年/マーク・フォースター監督)
公開当時はユアン・マクレガー、ナオミ・ワッツ二大スター競演がウリでしたが、今ならライアン・ゴズリングが加わって三大スター夢の競演になるのではないでしょうか?
精神科医サム(ユアン)が体調を崩した同僚に代わって担当することになった患者ヘンリー(ライアン)。
予知能力のようなものを持ったミステリアスな患者に翻弄されるサム。
サムには自殺未遂の過去がある恋人ライラ(ナオミ)が。そしてヘンリーは2日後の土曜日、自身の21歳の誕生日に自殺するといい残して失踪。
トリッキーな編集、サムの前に現れる死んだはずのヘンリーの母親。逢った事はないはずなのにヘンリーに惹かれるカフェの店員。
どれが現実(or現在)でどれが夢(or過去or前世?)なのか。そもそもこの世界は誰の意識の産物なのか。
この鼻面引きずり回される感は結構好き。
かつてクリス・インペリテリがグラハム・ボネットをゲットしてレインボー・リスペクトなアルバムを作った事がありましたが、本作はマーク・フォースターがナオミ・ワッツをゲットしてデヴィッド・リンチ的なアプローチに挑戦したマルホランド・ドライブ・改と言えるかもしれません(混乱に拍車をかける例えで恐縮です)。
マーク・フォスターという監督、「ワールド・ウォーZ」とか「007/慰めの報酬」みたいな大味エンタも撮りますが、本作や「チョコレート」のような繊細なドラマも撮れる不思議な監督です(お仕事と撮りたいものを分けているんでしょうね)。
★ご参考