デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火

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トビー・フーパーと言えば問答無用で「悪魔のいけにえ」ですが、もう一本選ぶなら?

「スペース・バンパイア」も棄てがたいですが、私のお気に入りは、

「スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火」 (1989年/トビー・フーパー監督)

1955年。ネヴァダ州で行われた核実験。表向きはシェルターの耐久確認、実態は耐放射能ワクチンの人体実験。

被験者はブライアンとペギー。実験後二人は男の子をもうけますが、出産同日、全身から出火して人炭に。

そして現在。過去の一切を抹消され青年となったサム(ブラッド・ドゥーリフ)の体に異変が・・。

特殊能力とマッド・サイエンティストと組織陰謀という「フューリー」「スキャナーズ」(ついでに「ザ・フライ2/二世誕生」)の系譜に連なる1本です。

ジョン・サべージとアンディ・ロビンソンを足しっ放しにしたようなドゥーリフが凄く“いい感じ”。

なんせこの人、代表作が本作と「エクソシスト3」の連続殺人鬼、そして「チャイルド・プレイ」のチャッキーの声(最近だとロブ・ゾンビ版「ハロウィン」のブラケット保安官)という香ばしいにも程があるキャリアの持ち主。

その彼が、腕やら口やらからボーボーと炎を噴き出しながら、出生の秘密と陰謀を探っていく様は悲しくも滑稽で、う~んトビー・フーパー

オチをつけるためにあらぬ方向に飛ばしまくった終盤がちと残念ですが、哀感溢るるモダンホラーの佳作だと思います。

ドゥーリフに“遠隔点火”されて炭になる「頭の悪そうなラジオ局技術作業員」をジョン・ランディス監督がノリノリで演じております(写真下。映画撮れよランディス・・)。

 

★ご参考