デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

がんばれ、タイ・ウェスト。 キャビン・フィーバー2

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前作はイーライ・ロスのジャンル映画オタクぶりが爆発した痛快作でしたが、続編はちょっと対処に困る痛い怪作になってしまいました。

キャビン・フィーバー2」
(2009年/タイ・ウェスト監督)

謎の病原菌がミネラル・ウォーターに混入して町中に。地元高校のプロム・ナイトでは兄ちゃん姉ちゃんが軟派と感染と繰り返した挙句、スプリンクラーのように“血・ゲロ・膿”を撒き散らしてあの世行き。

お話自体は直系で繋がっているのですが、「死霊のはらわた」から「脱出」までぶちこんで、「物体X的疑心暗鬼と肉体崩壊の恐怖を丹念に描いた前作のカラーはまるっと無視。

ただの馬鹿映画にしてしまいました(勇気があるぞ、タイ・ウェスト)

前作唯一の生き残り(でも感染者)が景気良くスクール・バスに跳ね飛ばされて木っ端微塵になる出だしでギャグ確定(保安官補はこの死体を鹿と認定)

政府系と思しき防護服部隊が制圧(感染者皆殺し)に来ても緊張感ゼロ。

最大の不満は“いい女がひとりも出て来ない”事。学園ホラーの鉄板ルールをないがしろにしやがって。ヒロインですらギリギリで“並み”。

巨漢女の水中SEX(しかも初体験)なんか見たがるのは一部のマニアだけだろ。

感染と被害拡大の様子をシンプソンズばりのアニメで説明したオープニングとエンディングはバックの音楽と合わせて“いい感じ”でした。

まあ現時点ではダメダメ100%ですが、今後タイ・ウェスト監督が超ビッグになれば、キャメロンの「殺人魚フライング・キラー」程度のカルト作には化けるかもしれません。

がんばれ、タイ・ウェスト。

※参考:「殺人魚フライング・キラー」→2008年2月5日