釘打ち銃、電動ドリル、ピッケル、ハンマー・・準備OK。
さ、行こうかな。
人を殺しに。
ハリウッド華やかりし頃、とある富豪がとある趣味を共有する映画スターとの交流の場として建築した風情あるアパート(日本の感覚で言えばマンション)。
時は流れて富豪は失踪、建物は老朽化してお値打ち価格の安物件に。
ここに越してきた若夫婦がエライ目に遭うという王道フォーマットですが、話が転がるまでがタルい。
思わせぶりな修理工、怪しげな住人、殺人だと思ったら役者が台詞の読み合わせ・・まあ、あってもいいですが「ちゃっちゃか済ませて本題入って」というのが正直な所。
トビー・フーパーという冠がなかったら途中で投げ出してしまったかも。
話が動き出すのは実に1時間後。
アパートが各部屋から少しずつ切り出した余剰スペースを使った二重構造(ひとつのアパートの中に二つのアパートが重なって存在している)になっているのが判明してから。
しかも、サイコ・ホラーだと思っていたらオカルト・ホラーだったという意外な展開。
「いけにえ」系だと思っていたら、「壁の中に誰かがいる」になって、「インフェルノ」になって「ハロウィン」になるという後半30分はなかなかの見応え。
洋館のゴシックな魅力とか魔術とかの要素を考えるとダリオ・アルジェントあたりの方が適任だったかもしれません。
トビー・フーパーだとこのあたりの活かし方がちょっと・・。
77年のオリジナルは未見。輸入版観てみようかなあ。