デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

工具箱を見る目が変わる。 ツールボックス・マーダー

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釘打ち銃、電動ドリル、ピッケル、ハンマー・・準備OK。
さ、行こうかな。

人を殺しに。

ツールボックス・マーダー」(2003年/トビー・フーパー監督)


ハリウッド華やかりし頃、とある富豪がとある趣味を共有する映画スターとの交流の場として建築した風情あるアパート(日本の感覚で言えばマンション)。

時は流れて富豪は失踪、建物は老朽化してお値打ち価格の安物件に。

ここに越してきた若夫婦がエライ目に遭うという王道フォーマットですが、話が転がるまでがタルい。

思わせぶりな修理工、怪しげな住人、殺人だと思ったら役者が台詞の読み合わせ・・まあ、あってもいいですが「ちゃっちゃか済ませて本題入って」というのが正直な所。

トビー・フーパーという冠がなかったら途中で投げ出してしまったかも。

話が動き出すのは実に1時間後。

アパートが各部屋から少しずつ切り出した余剰スペースを使った二重構造(ひとつのアパートの中に二つのアパートが重なって存在している)になっているのが判明してから。

しかも、サイコ・ホラーだと思っていたらオカルト・ホラーだったという意外な展開。

「いけにえ」系だと思っていたら、「壁の中に誰かがいる」になって、「インフェルノ」になって「ハロウィン」になるという後半30分はなかなかの見応え。

洋館のゴシックな魅力とか魔術とかの要素を考えるとダリオ・アルジェントあたりの方が適任だったかもしれません。

トビー・フーパーだとこのあたりの活かし方がちょっと・・。

77年のオリジナルは未見。輸入版観てみようかなあ。