
軍事クーデターと言うと、どうしても南ア方面(「戦争の犬たち」とかアミン絡みとか)を連想してしまいますが、これは数少ないヨーロッパもの。
カナダ軍全面協力で本物戦車をわんさか投入。
キャタピラーと石畳。実に美しいコントラストです。
「パワープレイ」(1978年/マーティン・バーグ監督)
ヨーロッパの仮想小国。政治家が腐りきっているのは古今東西皆一緒。
退役を目前にしたナリマン大佐(デビツド・ヘミングス)、エキセントリックな戦車隊指揮官ゼラー大佐(ピーター・オトゥール)らを中心に着々と進行するクーデター計画。
策謀を暴かんとする秘密警察部長ブレア(ドナルド・プレザンス)。ここいら辺の構図はちょっと226事件を思わせます。
前半のサスペンスから、後半のスペクタクルへ。玉座を手に入れても権謀術策に終わり無し。
優男のイメージが強かったピーター・オトゥールが、一癖も二癖も裏も表もある(そのくせどこか浮世離れしている)軍人を好演。
戦車のハッチから身を乗り出して咥えタバコで侵攻する姿のかっちょいい事。
監督自身による緻密なシナリオは78年のモントリオール映画祭最優秀脚本賞を受賞。
何故これだけの作品がDVD化されんのだ? VHSも全く出回っていませんし(今回入手できたのはほとんど奇跡)。
スティングレイさん、2011年の目玉にどうですか?