デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

次は何をすればいいんだ? 候補者ビル・マッケイ

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『What Do We Do Now?』

(次は何をすればいいんだ?)


普段は“ホラーテラーで皆殺し”座右の銘としている曼荼羅畑ですが、今日はちょっと趣を変えて“政治映画”なんぞを取り上げてみようかと。

ちょいと幅の広いジャンルではありますが、敢えてカテゴライズするなら、

理想と情熱が摘み取られていく過程を描いた映画群

ってな感じになりますでしょうか。鉄板で思いつくのは、

  1. 「Z」(1969年/コスタ=ガブラス監督)
  2. 灰とダイヤモンド」(1957年/アンジェイ・ワイダ監督)
  3. 「金環蝕」(1975年/山本薩夫監督)


辺りですが、本日ご紹介するのは、

「候補者ビル・マッケイ」
(1972年/マイケル・リッチー監督)


熱血若手弁護士ビル(ロバート・レッドフォード)は、民主党に担ぎ出されて上院議員選挙へ出馬。

しかしそこは権謀術策渦巻く“大人”の世界。

爽やかなルックスでたちまち人気を獲得していくビルでしたが、その実態は選挙参謀マービン(ピーター・ボイル)に操られた木偶人形。

理想も情熱も剥がれ落ち、選挙に勝った時には誰かの指示無しには何もできない人間になっていました。

冒頭に掲げた台詞は勝利者ビル・マッケイの〆の一言。この一言がこの映画の印象を決定付けたと言って良いでしょう。

にしてもこの頃のレッドフォードは脂が乗っていたなあ。

前年に「ホットロック」、翌年に「追憶」と「スティング」、74年に「華麗なるギャツビー」、75年には「コンドル」と「華麗なるヒコーキ野郎」、そして76年に「大統領の陰謀」。

正に旬って奴でしたね(実は80年の「ブルベイカー」が一番好きだったりするのですが…)。

 

★ご参考