『神様を見た事は多分ないと思う。もし神様にも願い事があるとしたら、それは何に願えばいいのだろう。願いを胸に夜毎星空を仰ぎ見ても、流れ星はいつ落ちてくるか分からない。だから、流れ星に願い事をすれば叶うっていうのは、つまり叶わないって事でしょ。けれど、私の願いはきっと叶う。だって私は・・私はこの流れ星を待っていたのだから』
初めて観た時は、あまりに大きな前作との世界観の隔たりに戸惑いを隠せませんでしたが、見直すほどに熱さが伝わる努力と根性の合わせ鏡。
前作はセル画という事もあり、今ひとつBlu-rayの持ち味が伝わって来ませんでしたが、本作はデジタルなので画質・音質ともキレまくりです。
トップ1が努力と根性による“能力獲得”の物語だったのに対し、2!は時間に抗う“能力喪失”の物語。
バスターマシンを起動させる特殊能力者トップレス。しかし、その力は年齢と共に失われてしまいます。
鶴巻監督はこのトップレスによって組織されたフラタニティをアイドルの世界のメタファーと捉えていたようで、大人になるに従い失われていくオーラをトップレスに重ねていたようです(コメンタリーより)。
『ノノにもバスターマシンがあれば、仲間になれるんでしょうか?』
生まれながらの天才であるフラタニティ・メンバーの声を子役から立ち上がってきた若きベテランにアテさせ、努力と根性の主役ノノの声を天然型新人・福井裕佳梨にアテさせる配役の妙。
『ノノは本当にバカでした。バスターマシンがあるとかないとか関係ないのです!バスターマシンさえあればなんて思う者が本当のトップになれるはずがありません。なぜならば!自分の力を最後まで信じる者にこそ、真の力が宿るからです!きっと本物のバスターマシン・パイロットは、本物のノノリリは、心にバスターマシンを持っているのだから!』
更にノノの成長物語と思わせて、実はお姉様ラルクの閉ざされた心が開かれていく癒しの物語という捻り方。
『これは人類の戦いだ! あたしたちに出来る全てを賭けた戦いだ。地球を捨てても人類を救うんだ! 正しいかどうかなんて知らない。お前なんか関係ないんだ! 勝手にまとわりついて、勝手にいなくなって、ずっと友達でいてくれたらトップレスがなくなることなんて怖くないのに!本当はルームメイトでいてほしかった。ヒバリを見にうちに来てほしかった。お姉様なんかじゃなくてラルクって呼んでほしかったのに!』
そして、1万2千年がリンクするラスト。ガイナックス20周年記念にふさわしい作品だと思います。