デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

松方弘樹万歳! 極道甲子園

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『まだあなたの伝説は終わったわけじゃない…』

獄中死したと看做されている侠客・黒田に対して竹内力が放った台詞ですが、そのまま黒田役の松方弘樹に対して放たれた台詞に聞こえます。

やくざが語り継ぐ伝説の侠客、松方弘樹

「極道甲子園」(2004年/鈴木浩介監督)

タイトルだけ見ると現代版「ダイナマイトどんどん」な展開を想像するかもしれませんが、全く違います。

各組が必要としているであろう人材(ひとり殺戮マシンとか、銀行から派遣されたマネーゲーム仕掛人とか)をエージェントが発掘し、入札によって落札する極道ドラフト制度の内幕を追ったものです。

監督はWOWOWの連続ドラマW空飛ぶタイヤ」「再生巨流」「下町ロケット」などを手がけている“あれ?いつの間に社会派?”な人。

本作も裏社会の機構に迫っているという意味では社会派で、連続ドラマWとして取り上げられても遜色の無いテーマ性を具備しています(すみません、言い過ぎました)。

組長がヤクでラリパッパ、人望厚い若頭(遠藤憲一)がかろうじて組を束ねているものの、癌に侵された身体は余命幾ばくも…。

ドラフト・エージェント竹内力が用意したのは何と「組長」。

とある国の事情で獄中飼い殺しになっている伝説の侠客・黒田。

松方弘樹の前では、小沢、菅田、遠藤、皆ひれ伏すしかありません。

十三人の刺客」でも松方の殺陣の素晴らしさは頭ひとつどころか群を抜いていました(キャスティング担当者グッジョブ)。

若い頃の明王にも似た眼光が、年輪を重ねて大仏のそれになりましたが、返って迫力が増したような気がします。