デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

胡散臭い・・。宇宙ショーへようこそ

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初戦、40分ほどで無念のギブアップ。翌日リマッチしてようやく終わりまで。

感想。「…胡散臭ぇ…」

宇宙ショーへようこそ」(2010年/舛成孝二監督)

何でしょう、この説教臭さ、子供目線と見せかけて上から目線の押し付けがましさ。

“ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために”

嫌いな言葉ではないですが、こうも大上段に文字にした挙句、横断幕まで貼り出されちゃうとちょっと引きます。

デュマが「三銃士」で活字にした友情の誓いとして有名ですが、これ以前にも経済学関係の書籍に見られるフレーズなので、ヨーロッパでは古くからある慣用句なのでしょう。

協同組合のキャッチとして、ロシア革命の精神的支柱として、“共同体と個人”の関係を謳う使われ方が多いようです(生命保険のコピーとしても利用されたとか)。

もうこの段階で眉唾べろべろ。

お話は、田舎の子供たち5人(しかいないのにキャラの描き分けできず。明らかに員数合わせの子がいる)が、助けた犬型エイリアン・ポチに月旅行に連れて行ってもらうというもの。

月の裏側は巨大な観光宇宙基地になっているという設定なのですが、なんじゃこのアメリカのショッピング・センターを平たく伸ばしただけのイメージ貧乏な絵柄は…。

フード・コートなんかそのまんまではないか。ここに限らず、全体的にデザインが地球の常識を一歩も出ていません。貧困の極み。

ここで、自業自得的アクシデントが重なって地球へ帰ることができなくなるのですが、エラそうな犬がビタ一文使えないのでイライラしっぱなし。

後半は、どこかで見たお話とどこかで聴いた台詞をひたすら判り難くした整理不能の脚本が冴え渡る怒涛の展開(←誉めてないぞ)。

色んな意味で“騙された”感に溢れた(何かのプロパガンダなんじゃないかとすら疑ってしまう)怪作です。