よもや裕木奈江が、アイスランド初のホラー映画で、初代レザーフェイスのガンナー・ハンセンと共演し、あろうことか見せ場かっさらう大活躍を見せようとは…。
秋●康による悪逆非道な情報操作とバッシングを耐え抜き、海外に活路を求め、イーストウッド、デヴィッド・リンチに認められ、国際女優の仲間入り…。
良かったなあ、奈江(呼び捨てかよ)。
「レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー」(2009年/ユリウス・ケンプ監督)
かつては捕鯨産業で活況を呈したアイスランド。しかし、今は反捕鯨の影響で見る影もなく衰退し、観光客相手のホエール・ウォッチングで細々と糊口をしのぐ有様。
今日も鯨見学の為に各国から物好きな観光客が・・来るのですが、まぁこいつらが皆サイテー。
やたら批判がましいドイツ中年女軍団、悪夢の引き金を引くアル中フランス人、自分勝手なアメリカ人に、超ステレオタイプな日本人。
奈江の役どころは、金持ち日本人老夫婦に雇われた現地ガイド。オドオドと薄幸オーラを振りまくドン臭い女です(普通なら最初に殺される役どころ)。
そして湾内にはもう1隻。時代に取り残された捕鯨船が。
『なぁにが捕鯨禁止だ。おかげで船の借金も返せやしない。グリーンピースなんか糞喰らえだ! ホエール・ウォッチング? 笑わせんじゃないよ。ふざけやがって。皆殺しにしてやる!』
事故で船長(ガンナー・ハンセン)を失った観光船の客を親切に招き入れる捕鯨船。
『母ちゃん、今日は大漁だ』
イカレた母ちゃん&二人の息子(1人は完全薄弱)という鉄板家族が、ワールドワイドに民族殺傷。
銛でナイフで猟銃で。チェンソーこそ出てきませんが、これぞ正に船上の“いけにえ”。
ここでドラマは面舵一杯。何と主役が奈江にシフト!
唯一まともな人間がゲイの黒人なのですが、このシチュエーションで正義感溢るる黒人が出てきたらどうなるかは皆さんご存知の通り。
きっちり古典ホラーへの目配せをしつつ、全方位に悪意を撒き散らす…国内初ホラーとは思えぬ仕上がりです。
で、現在、続編を企画中なんだとか。
アイスランドは、本作編集中に金融崩壊し、一夜にして貨幣価値がゼロになるという洒落にならない事態になっているようなのですが…資金どうやって集めるんでしょう。
続編の舞台はアマゾンだそうで。アマゾンに鯨はいないと思うので、別の話になるのでしょう。現時点で出演が決まっているのは裕木奈江ただひとり。
なんと、裕木奈江のシリーズになるんですね。凄ぇー。