デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

ギターと刀はキングの証。 シックス・ストリング・サムライ

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「僕の好きな日本映画はクロサワじゃない。ショーグン・アサシンだ!」(ジェフリー・マクガイア)

よく言った! 心意気だけは買うぞ。

「シックス・ストリング・サムライ」(1998年/ランス・マンギア監督)

1957年、ソ連の核ミサイルでアメリカ終了。

真っ赤に染まったアメリカに残された最後の楽園“ロスト・ベガス”。

そして40年。かの地でロックを歌い続けた自由と希望の象徴、キング(エルヴィス)が死んだ。後を継ぐ者は誰だ? 心ある者は、武器とギターを持ってベガスに集え!

黒縁眼鏡にボロボロのタキシード、破れまくったパラソル、およそヒーローらしからぬ風貌のバディ(ジェフリー・マクガイア)は、剣術とクンフーの達人、ギターを持ったジェダイ・マスター。

ひょんな事から出会った(付きまとわれた)子供とベガスを目指すが、その後を宿敵デス(メタル)が追っていた。

何が何やらさっぱり分かりませんが、最高です。

使用曲リストの中には見当たりませんでしたが、アレンジされたミザルーの使い方はタラと肩を並べます。

ひとつ難を挙げるなら、ガキが話に絡みすぎ。

「ショーグン・アサシン(子連れ狼)」の良い所は、拝一刀の圧倒的な強さを前面に押し出し、ウィーク・ポイントになる大五郎は“飾り”にして必要以上にドラマに絡ませなかった事だと思います。

本作のガキはその意味でちいっと鬱陶しいです。甲高い声で「あーあー」叫ぶばっかで、「お前はブリキの太鼓かよ」と思っていたら、後半ちゃんと言葉喋るし(だったら最初から喋れ)。

この擬似親子関係に関しては三池の「極道黒社会」を100回観て、心に哀川翔を宿してから撮影に臨んでもらいたかったです。

※参考:「哀川翔、男劇場開幕。 極道黒社会」→2008年9月18日
     「は、速ぇ…。子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる」→2011年4月15日
     「鉄の爪三兄弟見参! 子連れ狼/三途の川の乳母車」→2011年4月16日
     「生首目線! 子連れ狼/死に風に向かう乳母車」→2011年5月13日