絶叫する少女。罵声を受けながら兇悪の門をくぐる会田。その視線を受け止め頷く橘。
矢部部長(山村聰)、会田刑事(天知茂)、捜査一課・橘(渡辺文雄)三人の友情が頂点を極めた瞬間です。同時に継続不能な非情のエンディングを迎えた瞬間でもありました。
チャンネルNECOで放送中だった第3シリーズが遂に最終回を迎えました(11/27)。
第1シリーズで会田が見逃し、矢部が黙認した麻薬常習者・真山由比(加賀まりこ)。
彼女は総会屋・秋山から援助を受け、料亭を経営。一女・百合子を設けていました。が何故か百合子の周辺には公安の護衛が。
「あの時、由比を逮捕していれば百合子は生まれなかった。あの娘は俺とお前の娘なんだよ」という豪快な論法で会田に百合子の周辺調査を命じる矢部。
百合子は、自殺した(実は殺された)生化学者・早崎の娘でした。そして早崎の研究テーマは“生化学者から見た食料問題”。
人間の腸の長さを半分にして、サイズを縮小させ、食料問題を一気に解決しようと言う「1/8計画」ならぬ「1/2計画」。為政者とミニ人間。人類を二分する研究成果が、唯一の血縁・百合子18歳の誕生日に手渡される。正に恐怖の遺産。
え、え、え、SFじゃないですか! 「ブラジルから来た少年」を遥かに凌ぐ大陰謀。
秋山と刺し違える覚悟をした矢部だったが、敵の手に落ち、後の始末を会田に託して爆死。
全てを闇に葬るために会田のとった行動とは。
そして一世一代の男気を見せる橘の決意とは。
刑事ドラマとしてはあり得ないスケール、あり得ない展開ですが、疑問を挟む余地を見せずグイグイ引っ張ります。
脚本は橋本綾(橋本忍実子! 無茶な展開は親譲りか?)
昭和ブルースと共に閉じられる鉄扉。兇悪の終焉。会田刑事、お疲れさまでした。
★ご参考