デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

怪奇とヱヴァに関する浅~い考察。怪奇大作戦/京都買います

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『正蓮尼と申します。須藤美弥子は一生仏像と共に暮らすとお伝えしてくれとの事でした。どうぞあなた様もお忘れになってくださいませ』

別れの為の再会。立ち去りかけ、振り向いた牧(岸田森)の見たものは…。

ド派手なミニチュア・ワークで視聴者を驚かせた「呪いの壺」に続く京都シリーズ後編は、科学者vs仏像フェチの異職種恋愛講座。

怪奇大作戦/第25話・京都買います」

(1969年3月2日放送/実相寺昭雄監督)


連続する仏像盗難事件。捜査の為、京都入りしたSRIの牧は、考古学の権威・藤森教授の下で働く須藤美弥子(斉藤チヤ子)に一目惚れ。

牧はまた、ゴーゴー喫茶で謎の署名(京都の歴史的文化財に関する一切の権利を譲渡する)を集める美弥子を目撃。

『京都の街を買うって・・一体』
『買ってしまいたいんです。仏像の美しさの分からない人たちから。京の都を』

仏像盗難事件は、カドニウム光線による物質転送装置を使った藤森教授らの仕業でした。

全編に渡って流れるのは、フェルナンド・ソル編曲による“モーツァルト魔笛』の主題による変奏曲”。

この曲ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破」でも使われていましたね。

改めて見ると、両者には似たようなニュアンスの台詞があります。

牧の『僕は仏像より、現実に生きた人間の方が好きなのかもしれない』という台詞は、冬月の『私は人で穢れた混沌とした世界を望むよ』と通底します。

美弥子の『私、生きている男の方とお話しするのも悪くない・・今はそう思っています』は、アスカの『でも最近、他人といるのもいいなって思ったんだ。誰かと話すのって心地よいのね』と一脈通じるような。

ウルトラマンの変身音を自社(スタジオ・カラー)のサウンドロゴに使用した庵野監督は壮大な円谷リスペクトを仕掛けていたのかもしれません。

嗚呼、早く「Q」が観たい(ってこの時は本気で思っていたんですよ。まさかあんな事になるとは夢にも思っていなかったので…)。

 

★「あんな事」とは…