デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

そ、そうきたか?! ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

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過剰なまでのサービスカット、溢れかえる萌え。

007やスタートレックが、一旦お話をゼロリセットして「薀蓄の防壁で新規顧客の参入を阻害する昔ながらのディープなファンの駆逐」を画策したように、エヴァもリアルタイム世代の「足切り」を図ったのでは?と思いましたが、とんでもない間違いでした。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

(2009年/庵野秀明監督)


前作「序」がTV版1~6話のハイクオリティな焼き直しであったのに対し、今回はほぼ描き下ろし。同じ原画使っていても台詞やシチュエーションが異なる全くの別物になっています。

「キューティー・ハニー」に続いて庵野監督の円谷リスペクト炸裂。

いきなり「スタジオカラー庵野監督が代表を勤める企画会社カラーの映像製作部門)」のテロップにウルトラマンの変身音が。

ミサトさんの携帯着信音はハニー同様科特隊の電話音。

因みにメガネ&巨乳の新キャラ、真希波・マリ・イラストリアスが仮設五号機を景気良くかっ飛ばしながら歌う「三百六十五歩のマーチ」もキューティー・ハニーで使われていました。庵野監督の好みなのでしょうか。

綾波とゲンドウが食事しているときの音楽(魔笛の主題による変奏曲)は「怪奇大作戦/京都買います」で牧(岸田森)と美弥子(斉藤チヤ子)がデートしている時の曲ですよね(違ってたら御免なさい)。

この時の美弥子の台詞「生きている男の方と話すのも悪くない、今はそう思ってます」は、形を変えてアスカに引き継がれています。

どさくさ紛れに「太陽を盗んだ男」も使われていたような。次回辺り「シューマンのピアノ協奏曲イ短調」とか出てきてもおかしくない勢いです。

で、スタジオカラーの作画が凄い。VTOL機離陸時の浮遊感とか、落下してくる第8使徒(TV版第10使徒サハクィエルのハイパー進化形態)を受け止めるべく疾走するエヴァ3体の躍動感とか「おお!久しぶりに劇場に足運んだ甲斐があったわい」感満喫です。

さて、肝心のTV版の展開をほぼ完璧に破壊した新機軸のストーリー(正に「破」)ですが、こちらの考察は次回。(つづく)