デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

再戦(玉砕)。 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q[3.33 BD]

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『君の希望はドグマの爆心地に残る2本の槍だけだ。それが補完計画発動のキーになっている。僕らでその槍を手にすればいい。そうすればネルフもフォースインパクトを起こせなくなるし。第13号機とセットで使えば世界の修復も可能だ』

『…そうだね』

待て待てシンジ。今のカヲルの説明で何が分かった? 何を理解した? 何に納得した?

いや、今更こんな事にこだわっても仕方がないのは分かっています。分かっていますが、やはり得心がいきません。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q[3.33 BD]」(2012年/庵野秀明脚本総監督)

結局買ってしまいましたBlu-ray

内容に関しては2012年12月6日のレビューを御参照ください。初見から時間が経っているので多少は評価が変わるかな、とも思ったのですが大筋の印象は変化無し。

エヴァ(TV/旧劇場版)は善くも悪しくも“抑鬱”というキャラを抱えた庵野秀明の気分を反映したものでした。

あのちゃぶ台返しな最終回も一見さんお断りな劇場版(シト新生)も、「まあこれが庵野の今の気分なのだろう」という妙な納得がありました。

ところがこの新劇場版:Qは…。

好意的な見方をすれば、前作「破」で試みた大道エンターテイメント路線に「こ、これはやはり俺の求める方向性ではない…ってか恥ずかしい!」的反省(と言うか後悔)があって、大鉈振るう軌道修正を行った…のかもしれません。

大きく舵を切ったようで、舳先の向いている彼方には旧劇場版が見え隠れしているのも気になるところ。

TV放送から14年という時間経過とニアサードインパクトから14年という符合が偶然であるはずはなく、エヴァ接触した者は歳をとらないという“エヴァの呪縛”は旧劇場版(EOE)の「…気持ち悪い」と重ねてひとつの文様になるように思えてなりません。

「破」についていた予告の内容・絵柄全てなかった事にしてまでの方向転換。それなりの読みと青写真はあるのでしょうが、やはり破綻していると思います。作品として。

※参考:「マジン・サーガ? ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」→2012年12月6日