デカイ、デカ過ぎる! 看板に偽り無し。
でもよ、少しは遠近法ってものを考えろ。
「メガ・ピラニア」
(2010年/エリック・フォースバーグ監督)
ここは南米ベネゼエラ。
オノリコ川で遊覧中のアメリカ大使がボートごと行方不明に。
テロの可能性を危惧したアメリカは、ひと目で海兵隊特殊部隊と分かる調査員フィッチを派遣。真相は…。
アメリカ人研究者が、食糧事情改善のため飼育していた巨大魚(よりによってピラニア)が洒落にならない成長をしはじめたので、全部殺した…つもりが一部がオノリコ川に脱出。加速度的な成長を遂げていた…。
眠る事を知らず、ただひたすら食べて単体増殖しながら成長を続けるメガ・ピラニア。
イルカの群れのように跳ねながら川を下ったメガ・ピラニア軍団は遂にベネゼエラの町へ。
川から飛び上がり、ビルに突き刺さり、尾びれだけがピクピクと震えている光景はギャグか地獄か。
しかも、激突した後大爆発。お、お前ら自爆装置でも着いているのか?
「すぐに馬並みの大きさになり、やがては鯨並みに!」
いやいや、塔やビルに刺さっているもの見てみ。既に鯨も越えてるだろう。いいか、ものってのは近くにあれば大きく、遠くにあれば小さく見えるんだぞ。
「大丈夫、奴らは淡水でしか生きられないから海へは出ない」
という予想を余裕で裏切って海へ。目指すはフロリダ。
クライマックスは、シールズがピラニア相手にサンダーボール作戦。
何一つ解決していないのに、強引に「アルマゲドンかよ!?」なエンディングへ。
いやあ、何と言うか…素晴らしい!
テレビ用映画なので、「ピラニア3D」に比べれば、ゴアシーンなぞ無いも同然(いや実際無い)ですが、馬鹿のベクトルは同じ長さだと思います。
主役のフィッチを演じたポール・ローガンは他にも「ターミネーターズ」「ディープ・コア2010」などに出演。
ヒロイン(太ったおばちゃんだが、他に女がいない)の科学者を演じたティファニー(!)は翌年「メガ・バイソンVSギガント・ゲイター」に出演(共同製作も)しています。
是非、「ピラニア(78年)」「ピラニア3D」「メガ・ピラニア」とタテ続けに観て、彼らの出世魚ぶりをご堪能ください。