デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

綺麗にはなりましたが…。 トロン:レガシー

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前作から28年。まさかの続編。

CG黎明期の“最先端”が、現在のテクノロジーでどう料理されるのか。

確かに絵は綺麗になりました。しかし、仏作って魂込めずと言うか、揺さぶられるものがありません。昨今流行のリメイクものと同じ箱。

あと10年経っても前作は観るでしょう。しかし、本作を観たいと思うことはないと思います(多分、思い出しもしない)。

トロン:レガシー(2010年/ジョセフ・コシンスキー監督)

お話は前作地続きの27年後。ケヴィン・フリン(ジェフ・ブリッジス)は幼い息子サムを残して失踪。

20年後、アラン(ブルース・ボックスライトナー。前作で監視プログラムトロンを書き込んだ人)の元にケヴィンからポケベル(!)が。

成長したサム(ギャレット・ヘドランド)は、父のゲーセン地下の端末からコンピュータの世界へ。

前作でポリゴンだったレコグナイザー(門みたいな奴)が、手の込んだ作りのCGになっていたのは“おお!こうなったか!”と同時に“ああ!こんなんなっちゃったか!”(笑)

ライト・サイクルも、“まあ、そうなるよね…”なデザインで、縦横無尽に動けるという自由度の拡大が動きのイマジネーションを制限する皮肉な結末。

完全な世界は不完全なものを内包する、という事に気づいたケヴィンと、不完全なものを次々消去して完全な世界を構築しようとするクルー(ケヴィンの分身)の対立と葛藤は面白かったですが、最早斬新とは言い難く…。

ケヴィン、クルー、サムの関係は、東(あずま)博士、ブライキングボス、キャシャーンな訳で、これもとうの昔に手垢のついた代物。

前半の“格ゲーかよ!”なアトラク連打が作品の軽さを強調してしまったのも残念でした。

一応、前作リスペクトな小ネタが大量に仕込んではあるので、前作未見の方は先に観ておく事をお薦めします。

 

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