『サンタがプレゼントをくれるのは、1年間悪い事をひとつもしなかった良い子だけだ。悪い子には罰を与える。今夜、サンタに遭ったら一目散に逃げるがいい。ふぉっふぉっふぉ』
精神病院で頭のイカれたお爺ちゃんが孫・ビリーに語った与太話はその日のうちに現実に。
サンタコスプレの強盗に両親を惨殺され(しかもその一部始終を目撃し)たビリーは、トラウマまみれの立派な脳患いに。
「悪魔のサンタクロース/惨殺の斧」
(1984年/チャールズ・E・セリアー・Jr監督)
ビリーの両親が大富豪だったらバットマンになれたかもしれない状況ですが、残念なことに小市民だったので幼子の弟共々、孤児院へ。
この孤児院を仕切る老シスターが最悪の善人。
神の名の元に、あらゆる悪(当然SEX含む)を許さない潔癖症。
サンタを異常に毛嫌いするビリーは、しつけ・教育と称した虐待を受け続け(トラウマの上にトラウマを上塗りされ)、最早意識の下に何が刷り込まれたのか自分でもさっぱり。
6年後、何をどう鍛えたのか筋骨粒々な青年に成長したビリーは、町のおもちゃ屋で荷物運びの日々。
真面目なビリーにオーナーも満足。人とも会わないし気楽でいいや、と思っていたのも束の間、ビリーに人生最大の試練が!
なんとクリスマス商戦、集客の決め手、サンタクロースを演じるはずだった社員が怪我で骨折。サンタ役は長身・大柄の男子でなければ務まりません。
ううむ、困った。しゃーない。おい、ビリー。お前、サンタになれ!
恐怖の対象と同一化したビリー。視界には憧れの女子社員と先輩社員が舌先の指相撲。
“SEXは悪だ。サンタは罰を与える…”
閉店後の店内でクリスマスを祝う従業員(4人ですが)を瞬殺したビリーは、両刃の斧を片手に夜の町へ。
“悪い子はいねが~。SEXしている子はいねが~”
全米のキリスト教団体とPTAを敵に回しただけあって、罰当たり描写つるべ打ち。
胸はだけたお母ちゃんに馬乗りになったサンタがナイフで首一文字!(写真2枚目)
半裸お姉ちゃんの鹿角ぷっすん(写真3枚目)は、「悪魔のいけにえ」の鉤爪どっこいしょに匹敵するインパクト。
個人的MVPは最初にビリーを脅す精神病院のお爺ちゃん(写真上)。知覚能力無しの人形状態のはずなのに、ビリーと二人きりになった途端、ニタリと笑って喋りだす…。
各団体が抗議活動を起こし(一部の州では上映禁止)、マスコミ(CNN)がそのニュースを世界配信したおかげで、本作の知名度は垂直上昇。何と5作目まで作られる長寿シリーズとなりました。
炎上マーケティングの走りですね。
で、この神をも恐れぬ作品のリメイクが間もなく公開。主演はまさかのマルコム・マクダウェル。詳細は明日。