PHP研究所発行のラヴクラフト・コミカライズ・シリーズ。
特に「この漫画がすげー!」という大当たりが出ないままズルズルと冊を重ねておりますが、その中の一冊「ニャルラトホテプ」(写真一番下)を読んでみました。
収録はニャルラトホテプに関係する3篇。「魔女の家の夢」「ニャルラトホテプ」「闇をさまようもの」。
発行2012年1月10日。ラノベ版「這いよれ!ニャル子さん」のヒットにあやかった便乗企画…かな。
「ニャルラトホテプ」自体は、ラヴクラフトが見た夢を題材にした散文詩。元々理論的整合性を欠いた不条理なお話を漫画にしても難解の誉れを上塗りするだけで(ある意味余計に)訳わかりません。
最初の1篇「魔女の家の夢」は、アメリカのマスターズ・オブ・ホラー・シリーズのシーズン1で題材として取り上げられておりました。それが、
「魔女の棲む館」
(2005年/スチュアート・ゴードン監督)
原作(当然漫画も)は1927年の設定ですが、ゴードン版では現在。
非ユークリッド幾何学の論文を書くために、曰くありげな(でも静かで集中できる…はずだった)古アパートにパソコン持参で居を構えた大学生ウォルター(エズラ・ゴッデン)。
大学は勿論、ミスカトニック大学。これ見よがしにロゴ入りのTシャツを着ています(写真2枚目)。
妙に怪しい管理人、不気味な古株住人、親切なシングルマザーなど住人たちもお約束。
この部屋で空間の交差する接点を発見したウォルターの周りに怪奇現象が。
そして現われた人面ネズミ(写真3枚目)。実写でやられると少々対処に困りますが、こいつが出てこないと“看板に偽り有り”になってしまうので仕方ありません。
空間を跳躍し、大学図書館に現われたウォルターが見ていたのは閲覧禁止の魔書「ネクロノミコン」。
魔女と関わってしまった男の運命は?
TVの枠の中できっちりバッドエンドを描ききったのは流石です。
ゴードン先生は陽の当たる事の少ない監督ですが、この人の力量はもうちっと評価されていいように思います。
さて肝心の漫画の方は…可も無く不可も無くって感じでした。
(とは言え気になるシリーズではあるので、幾つか追いかけてみましょうか…)