ううむ、そう来たか…。
掴みはOKとはこの事だ。ツボを心得た地続きのスピンアウト。新たな伝説の幕開けです。
「ULTRAMAN/第1巻」(清水栄一×下口智裕著)
ゼットンとの戦いを最後に故郷に帰ったウルトラマン。
科学特捜隊は組織解体され、本部は光の巨人記念館に。
ハヤタ・シン(早田進)は防衛庁長官に、イデ・ミツヒロ(井手光弘)も防衛庁関連の要職に就き、お互い顔を合わせる機会もめっきり…。
ハヤタには悩みがありました。ウルトラマンが地上に留まっていた期間の記憶が全く無い事、時折、人間離れした力を出してしまう事、そして1人息子・進次郎に自分を上回る力が宿っている事。
光の巨人と一体化してしまった為に、分離後もその因子を受け継いでしまった父と子。
平時であれば、力を制御する事のみに専念していれば済みますが、彼らの前に悪意ある知的生命体の影が…。
自分がウルトラマンであったと気づくハヤタ。知ってたさ、と笑うイデ。
科特隊は解体などされていませんでした。イデの指揮下で命脈を保ち、ハヤタ親子の監視とガードをしていたのです。これまでは…。
謎の生命体の襲撃を受け、好むと好まざるとにかかわらず戦いの渦に書き込まれていく進次郎。
しかし、謎の生命体と進次郎には圧倒的な能力差が。苦悩する進次郎にイデが差し出したもの。
それは両腕にスペシウム兵器を組み込んだパワード・スーツ。
「進次郎クン! 右手首の制御ユニットを左手首のコネクタに接続するんだ!」
「…右手首の制御ユニットを…左手首のコネクタに…って、もしかしてコレって」
「ああ。そうだよ進次郎クン・・・スペシウム光線だ」
変身しない、巨大化もしない、宇宙人ですらない等身大のヒーローをウルトラマンと呼称することに違和感を覚える人もいるでしょう。
スーツ装着による強化はアイアンマン(もしくは仮面ライダーアギトにおけるG3)的ですし、デザインもウルトラマンと言うよりはメタリックなガイバー(もしくは人造人間ハカイダーにおけるミカエル)という感じです。
それでも、世界観は間違いなく“あの”ウルトラマンと地続きのもの。
「覚えておけ。私の名はベムラー。始まりの敵だ」
こんな事言われて燃えるなって方が無理でしょう。
更に! 初陣で力尽き昏睡した進次郎が目覚めた時、枕元にイデと共にいたのは…。
次巻予告ページには「科学特捜隊の諸星」を名乗る謎の人物まで!
壮大なサーガを予感させずにはおきません…が、第二巻発売は2013年春(頃)!
おいおい、そりゃ待たせすぎってもんだろう。